生まれた子犬に障害が!素人の繁殖は絶対やめて!

筆者がやめていただきたいと思うことの一つに【素人繁殖】があります。素人繁殖は、命をもてあそぶ行為そのものと言っても過言ではないでしょう。

純血種の動物は何らかの遺伝子疾患を持っています。それはその血統の動物がもともと保有する因子です。そのため、より、その因子が出にくいもの同士をかけて次世代を作らなければならないのです。

わかりやすい話で言えば猫の種類にスコティッシュフォールドと言うのが存在しています。この猫はたれ耳がかわいいと言われていますが、生まれてくる子猫の半数はたち耳、つまり耳が垂れていないのです。たれ耳と言う状況そのものが猫にとって異常事態と言っていいでしょう。そんなスコティッシュ、交配時には必ず、たれ耳とたち耳を掛け合わさなくてはなりません。そうしないと生まれてくる子猫は骨形成異常と言う病気にかかる確率がとても高くなるのです。

同じように、犬の純血種でも気を付けないと遺伝疾患が起こる可能性がぐんと上がってきます。その遺伝疾患を避けるためにはきちんとその種についての知識を得ておかないといけないのです。

安易に、購入したペット同士を掛け合わせることはこうした危険性を無視することに他ならない、そう覚えておいてください。

また、スタンダードの観点からもペットショップ出身の犬の交配はお勧めしません。犬の純血種には必ず【スタンダード】と言う基準が存在します。スタンダードとは、この犬の特徴はこうでああで・・・と理想とする形のことです。ブリーダーは繁殖が目的ですのでいい犬は手元に置いておきます。ペットショップに並ぶ犬はスタンダードから外れた【ブリーダーが手放しても惜しくない】犬だけなのです。そんな犬たちを交配したっておよそいい犬は生まれません。ペットショップ出身の犬は一代限りの命だと思っておいた方がいいでしょう。

犬の純血種にはランクがあります。すなわち、ブリーディングタイプ(ぜひ、血統を残したい)、ショータイプ(スタンダードに準じるのでコンテストに出せる)、ペットタイプ(純血だけど劣等生)。このうち、ブリードできる犬はショータイプとブリーディングタイプだけです。ペットショップにいるペットタイプは疾患が出やすかったりすることもあるので繁殖には使えません。

それでも繁殖してしまった場合、疾患が出ることがあります。もし、疾患が出た場合は最後まで面倒を見る覚悟をしましょう。悲惨なときは5匹生まれて4匹が疾患もちだったなんて話も聞くくらいです。素人繁殖はそれだけのリスクがあるのですから絶対に行ってはいけません。

いくら、飼いきれないからと言って保健所に持ち込むのもナンセンス。もし、安楽死を望むほどの疾患であるのであれば病院の先生と相談してください。保健所でされるのは安楽死ではありません。とても苦しい方法で処分されることになりますので持ち込みはやめましょう。

人間もそうですが、繁殖行動と言うものはデリケートな問題ですのでしっかりとした知識がないものは行ってはいけません。